レクイエム
「海軍だー！海軍が来たぞー！」

「お頭どうしやす！？」


マストの上で見張りをしていた仲間が海軍の接近を察知したらしい。


「奴らに捕まると厄介ね。総員アスピディスク号に戻れ！」

「「アイアイサー！」」


皆が声を上げて敬礼すると、颯爽と海賊船に戻って行く。


「さよなら、リグルーズさん」

「麻薬はいらねーや。ここ置いてくぜ、リグルーズさんよ」


去り際、女頭はまた美しい笑顔を浮かべながら一言残した。
クレンスを引き連れ彼女達も海賊船に戻っていく。


「全員乗った！板を外せ！ロープを切るぞ！」


女頭とクレンスが船に戻った事を確認し、足場代わりの板を海賊船に放り込む。
固定していたロープをナイフで切り、赤旗を上げ舵取りに合図を送る。


「アスピディスク号発進する！出力８０％！一気に引き離すわよ！」


女頭がまた指示を出す。合図と指示を受けた舵取りが早速船を海軍の船と別方向に向ける。
出力を上げた海賊船・アスピディスク号はあっという間に商船から離れた。
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