レクイエム
――クーラの所属していた海賊・リヴァーズは義賊であった。
罪のない者からは何も奪わず、裁きを受けるべき者には鉄槌を。
特に頭であった彼女には海軍総司令官との繋がりもあった。
更にこの国・ユリスティアで発言力の強い貴族とも関わりが強い。
その為リヴァーズが軍に追われる事もなく、宝探しという浪漫を追い求めながら、弱き者を助け、国に力を貸すという活動をしてきた。彼等は自分たちに誇りを持っている。


「…分かった、もういい」

「え、まだ話は終わって…」

「いや、もう十分だから。十分だから」


クーラがリヴァーズの生き様を語り始めてどれくらい経った頃だろうか。 初めこそアレスも黙って聞いていた。だが彼女の口はマシンガンのように止まることはなく、いつになっても終わらないのではないかとも思えた。
クーラは話を遮られ不満そうにするが、アレスもさすがに聞き疲れたらしい。

手のひらを向け、断固拒否する。
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