レクイエム
「どうぞ、こちらのお部屋をご自由にお使い下さい」
クーラとアレス、2人は案内された客室に足を踏み入れた。
「何かありましたらご遠慮なく仰って下さい」
「ありがとう、ジルチ」
案内を終えた彼女は頭を下げると静かに扉を閉じた。
広い部屋、大きな窓。上品にレースをあしらったカーテンが、夜風に吹かれなびいている。
クーラは天蓋付きのベッドに勢い良く腰を下ろした。やっと落ち着く事が出来る。安心感から、急にどっと疲労が襲ってきた。
チラリとアレスに視線を移すと、彼はソファに腰掛ける所だった。
「広いね」
「…あぁ」
婚約者、という事を考慮されたのだろうか。異性の2人を同じ部屋に案内するとは。
前にシレネラの街でもクレンスと3人同じ部屋で一晩を過ごした。
しかし今回はアレスと2人きりだ。何故だか分からないが、2人きりというこの状況が、やけにクーラを動揺させる。妙に心臓が暴れて、少しの沈黙でさえ息苦しく感じてしまう程だった。
クーラとアレス、2人は案内された客室に足を踏み入れた。
「何かありましたらご遠慮なく仰って下さい」
「ありがとう、ジルチ」
案内を終えた彼女は頭を下げると静かに扉を閉じた。
広い部屋、大きな窓。上品にレースをあしらったカーテンが、夜風に吹かれなびいている。
クーラは天蓋付きのベッドに勢い良く腰を下ろした。やっと落ち着く事が出来る。安心感から、急にどっと疲労が襲ってきた。
チラリとアレスに視線を移すと、彼はソファに腰掛ける所だった。
「広いね」
「…あぁ」
婚約者、という事を考慮されたのだろうか。異性の2人を同じ部屋に案内するとは。
前にシレネラの街でもクレンスと3人同じ部屋で一晩を過ごした。
しかし今回はアレスと2人きりだ。何故だか分からないが、2人きりというこの状況が、やけにクーラを動揺させる。妙に心臓が暴れて、少しの沈黙でさえ息苦しく感じてしまう程だった。