夢追い兎
うさぎときつね
引越しなんて何度もしてきたから、部活になんて入ったことなかったし、
友達もろくにできなかった。
でもいいんだ、私には歌がある。




「今年引っ越してきました、宇佐美 橘香(うさみ きっか)です。
 まだなにもわからないので迷惑かけると思いますが、これからよろしくお願いします・・・ !?」
「うわなにこの子あたしらと同じ学年ー!?ちっさー」
「はいはいはーい質問ーー」
私が挨拶した途端、教室中がざわめいた。
いや・・ざわめいてはないかな・・

「お前ら静かにしろよ!黙らんと評価下げるぞ!じゃぁ宇佐美、あの前から2番目の机座ってくれ」
「・・・  はい。」
先生が前から2番目の机と言った意味が直ぐに理解できた。

隣がいない!!

この教室にいるのは、なんと全部で12人しかいなかった。。
先生に連れられて教室に行くときも、3学年の教室がおなじ階に並んでいたのをみて驚いた。

ようするに、ココには人がいない。
だから多分、また一人でしか歌えないと思った。
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