夢追い兎
みんなの視線を右半身に突き刺しながら、
何食わぬ顔を心がけて席に着いた。
(田舎は初めてだから緊張するな・・)

「はいじゃぁ終わり。1時間目体育だから遅れんなよ」
先生の合図と、学級委員の号令が終わるとわっと私の周りに人が集まってきた。
「なぁなぁどこから来たん?」
「何部入ってた?」
転校してきたらこうなるのは分かってたし、直ぐに独りになるのもわかってたから
こういうときはあまり本気で答えない方がよかった。

『その方が楽だから』
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