太陽の宝物

陽介って言う人は、保健室のベッドの隣の椅子に座った





「あの…
運んでくれてありがと」





「別にいい
気にするな」




やっぱり
笑顔が仮の笑顔だ

瞳も寂しい感じだし…






「ここ
保健室だから
先生は、今いねぇ」





「そうなんだ…
名前は?
もしかして…
嶋田陽介?」





嶋田陽介…
頭の中にはっきり浮かんだ名前…




「当たり
お前は、花村美姫だろ?」




「うん
美姫でいいから」





「俺は、陽介でいいから
じゃあ俺戻る」




えっ?
行っちゃうの…
何だか寂しい



無意識に陽介の手を掴んでしまった



行かないで…





「もう少しだけ…
ここにいて…
嫌だったら行っちゃっていいよ?」





「嫌じゃないからここにいる…」





「うん
ありがと…」





陽介は、また椅子に座った
何か安心する
何だろう
この安心感…



眠くなってきた…



私は、眠りの中へ…





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