【コメコン】オレんちの兄さん1



プルルルル、プルルルル……


ガチャ。




「兄さん、何?何か忘れ物?」


そうだとしても、届けられないけど。


どうせ大したことじゃないと思いながら尋ねたのだが……

話しているオレに届いたのは、衝撃的な言葉だった。






『あぁ。
 携帯をさ、どこに置いたかと思って』




―――――――――は?


なんか今、理解しがたい言葉が聞こえたような。




「ごめん、もう一回言ってくれる?」


『携帯が探しても見つからなくって。
 ほら、あの青いヤツだよ』




………じじぃか、アンタは!!


てか、色とか知ってるし!

そこ聞いてるんじゃねーし!




「え……だって、兄さん自分の携帯からかけてきてたじゃん」


『そうそう。
 かけてる俺に拓海さんが「それ違うのか?」って教えてくれて見つかったんだよ』




………………………。




『悪かったな、授業中だったろ?
 ちゃんとマナーモードにしてたか?』




………………………。




アタマイタイヨ、ニイサン。




『じゃあ、仕事中だから切るな。
 勉強頑張れよ』




お前もな。




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