【コメコン】オレんちの兄さん1
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「何してんだよ、バカ!」
「だって、貼り紙にもあっただろ?
何でも聞いてください、って」
「自販機は“何でも”に含まれねーよ!」
大声で言い返すと、道行く人々が何人かこっちを振り返った。
俺に目を止め、それから兄さんの方に視線を映す。
女子高生のグループは、兄さんのあまりの美貌に頬を赤く染め、携帯を取りだして写真に納めようとしている。
「これ以上外で変なことしないでくれよ?
兄さんはただでさえ目立つんだから」
いや、ホント言うと家でもしないでほしいんだけど。
「目立つのはアサヒの方だろ?
ほら、今だって……」
そう言う兄さんの視線の先には、さっきの女子高生達の姿。
「お前がカッコ良いから見てるんだよ。
手でも振ってあげたら喜ぶぞ?」
親指でクイクイと彼女達を指さし、兄さんはキラリと歯を見せて笑った。
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「こんの鈍感野郎っ!!」
「グハッ!」
鈍い……鈍すぎる!!
なんなんだこの鈍さは!?
これが世に言う“鈍感力”ってやつなのか!?
「おい、なんで走るんだ!?
転んだら危な……ゴホッ」
俺の放った拳は見事鳩尾に命中したらしい。
咳き込む兄さんに振り返って、
「そんなことより自分の心配しろ!」
そう叫んでやった。
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