Rainy sky
コイツは本当に声がでかすぎる。
鼓膜破れそう……。
ま、破れないけど。
「そんなでかい声で言わなくても分かるっつーの。おめでたいんじゃねぇの?」
あんなに毎日一緒に居るし、そういう関係になってもおかしくはない。
逆に姉の遥が家に八神先輩を連れて来るのは好都合だ。
彼とは、何かと気が合う。
たまたま図書室で会った時には、同じ本を取ろうとしたり、借りていた本が同じだったり……。
遥が彼を家に連れて来た時には、俺がやっていたゲームをやりたかったらしく、一緒にやったりと、帰宅後の暇な時間を潰す事が出来た。
都合の良い友達がいない俺にとっては、彼はとても良い存在だ。
待てよ、都合の良い友達がいないと言っても、俺に友達がいないって事では無いからな?
友達はいる。
……3人くらい。
少ないとか思わないからな、俺は。