Rainy sky
「まじっ? あんな美人な姉貴とられて悔しくないわけ?!」
だからお前は声がでかい。
周りの奴等に注目されるから本当やめてほしい。
……つか、やめろ。
「悔しいも何も、姉貴に変な感情持ってるわけでもねぇし……」
周りから見れば美人と言われる姉の顔も、もう見飽きた。
自慢の姉でもあったが、今では憎い程。
「変な感情持ってるのお前だったな、悪い」
片手を立てて謝ってみせると、その手を掴まれ、
「俺、彼女出来たからさ。んじゃっ!」
と、満面の笑みで言われた。
そして織田は教室から出て行った。
可愛い女の子と一緒に。