Rainy sky
前言撤回だ。
姉より織田のが遥かに憎らしい。
心からそう思う。
なんでアイツに彼女が出来て俺には出来ないんだ、ふと考える。
……アイツは人当たりがいい。
それに比べて俺は…。
いい、考えない。
惨めになる。
考えと同時にチャイムが鳴ってくれて助かった。
憎き織田も、いつの間にか席に着いていた。
だが、チャイム後すぐに始まった授業で居眠りをしてしまい、散々怒られていた。
数学のハゲオヤジに。
美人なお姉さんなら真面目に授業受けるのにな……。
後の織田の呟きには同意だ。
そんな事ばかりを考えていたら、あっという間に授業は終わっていた。
今日はもう帰るだけ……。
小さく欠伸をして鞄を背負う。
部活に行く気にもなれなかったから、今日はサボり。
家に帰ってゲームをやる。
勝手に計画を立てて俺は学校を出た。