Rainy sky
「……八神先輩。」
間違いなく、漫画を読んでいるのは八神先輩だった。
「おー、遥稀。邪魔してる」
そういうと、平然とまた漫画を読み始めた。
「あ……はい。って何してんすか、人の部屋で」
俺の返答は正しいよな?
「漫画読んでる」
「見たら分かりますよ」
取り敢えずテーブルに炭酸飲料の入ったコップとケーキを置いて、ベッドに座りながら答えると、彼はクスリと笑みを浮かべた。
「遥が部屋片付けてる間此処にいろって。帰ってくるとは予想外だったなぁ……」
ああ、そういうことですか。
勝手に人の部屋使いやがって……。
遥のヤロー!
後で文句言ってやる!
心に決めた俺は、先輩に一言「了解」と告げ、ゲームの線を接続し始めた。