Rainy sky
◆Chapter 2
+++Memories_1
「なぁ、知ってるか? つか勿論知ってるよな?! あの美男美女カップル!」
閉じかけていた教室のドアを力強く開け、誰かが俺の席へと音を立てて走ってきた。
いきなり大声で俺に問い掛けてくるものだから、煩くて思わず耳を塞いだ。
顔を上げて声のする方を見上げると、見慣れた顔がそこにはあった。
中学に入ってから知り合った奴で、馬鹿みたいにテンションが高くて、落ち込んでいる様な深刻な場面を未だ見た事がない。