代償としての私の特殊な能力
事故
その日、親友を失った。
高校の図書館が閉まるのが夜の10時。
美香と私はノートログにハマっていて、時間を忘れてログっていた。
二人は数少ない理系女子。
それなのに3年になると、二人は別々のクラスに分けられた。
その上、RLS(アール)とも引き裂かれ、私は憂鬱な日々を送っていた。
見かねたアールが場所としての図書館を教えてくれた。
努力家のアールにすれば、勉強をしながら私といっしょにいられる図書館は恰好の場所だったのかもしれない。
でも、私にとって図書館は美香と放課後を過ごす父親公認の秘密の花園になった。
アールのことはほっぽらかして、いつでも美香といっしょにいた。