代償としての私の特殊な能力
病室
あれから何日も経つ。
なのに、美香のことは誰も教えてくれない。
私が上手くしゃべれないのをいいことに、みんな聞き取れないふりをする。
ちゃんと覚悟はしている。
だから、誰か本当の事を教えて。
お父さん、美沙子さん、お願いよぉ。
私は暗闇の中で、孤独に押しつぶされそうだった。
ドアの開く音がした。
傍らにいた美沙子さんが立ち上がり、ドアに向かう気配がした。