代償としての私の特殊な能力
「この度はとんでもないことで・・」
「愛ちゃんが気がついたって聞いて、・・。本当に良かったです。愛ちゃんだけでも助かってくれて・・」
低い声が響く。
きっと美香のお父さん。
暗闇の中で耳を澄ます。
近づく人の気配。
ん、なに?
私は目をこらして見つめる。
うそっ、
・・・
見えてる。
ぼんやりとだけど、
月あかりにも及ばない
星あかりほどの明るさだけど、
真っ暗闇の中に
ほんのかすかに
輪郭が浮かんでる。