月のしずく
男が手の中で白い物をひらひらさせる。


「すまねぇ…取っちまった……」


恐る恐る胸元に視線をやる。


「いや―――――////」


少年…いや、少女は布団を頭から被り目だけを出した。


「勝手に取るなんて最低。」


「それより何で男になろうと思ったんだ?」


男は少女の頬に触れた。


「言わない!」


少女は顔を赤らめ布団に閉じこもった。
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