月のしずく
「まさか…みんなの前でやるんですか?」


「当たり前だろ?
お前、怖じ気づいたのか?」


「そんなこと…ないです…よ?」


倉庫らしき所から取り出した木刀を投げられた。


「あわわわ…」


カラン――


虚しく床に転がる竹刀。


周りからは微かな笑いが漏れる。


「お前、ちゃんと取れよ。」


「いきなりなんて聞いてないです。」


「お前、女みたいだな(笑)」


少年はギクッと肩を揺らしながらも木刀を拾った。
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