月のしずく
「お前…手放すにはもったいないかもしれねぇ…」


「はぁ…こんなに強い人…初めてです…」


2人の息はすっかり上がり少年に至っては立つのが精一杯に見える。


「まだ…やるか…」


少年は笑みを浮かべ立ち上がった。


「最後まで…やりましょう…」


少年が床を蹴り一緒に立ち上がった男に立ち向かったが、そのまま男の胸に倒れ込んだ。


「お疲れ、合格だ。」


少年の体を寝かせ木刀を手放させると倉庫に戻した。


「今日はもう休んでもいいぞ。」


男は少年を抱きかかえ道場を後にした。
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