【完】青春PLAYBALL!!
「ヘヘ。ごめん、今さらだよね。自分から尚哉のことフッたのにさ・・・・・・」


何も言えずに固まっている俺を見て、綾が苦笑いをした。


「いや、俺だって。フラれて当然なこと綾にしてたし」


「違う。私きっと八つ当たりしてたんだよ。膝の怪我のこともあったし、色々・・・・・・」


綾はキュっと口を結ぶと、おしぼりの袋をパリっと破いて手を拭いた。


「あのさ、綾」


「な、何!?」


「うん、あの・・・・・・。昨日さ、綾が言ってたあれ。俺は人より我慢して練習しちゃうのって、あれ」


「あ、ああ・・・それね。うん。」


綾は拍子抜けしたように前のめりになった体を戻すと、コップの水をクイっと一口飲んだ。


「あれ、結構嬉しかった。綾が俺のことそう見ててくれてたの意外で」


「ん。まあ付き合ってたときは照れくさくて言えなかったから・・・あの時はつい、ね」


綾は照れくさそうにクスっと笑った。

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