【完】青春PLAYBALL!!
『河南農林ノックの準備をして下さい』


場内アナウンスが流れる。

一気にベンチの空気が張りつめた。


「尚哉、どうだ?久々の公式戦。やっぱり結構緊張してる?」


俺の横にスッと座ってこっそり呟いたのは野田先輩だ。

野田先輩は中学校からの先輩で2年生。

バッテリーを組んでいたのは一年間だったが、俺が今まで出会った中で一番信頼してるキャッチャーだ。


試合前になるといつもこうして、俺の側に座って緊張を解きほぐそうとしてくれる。


「そうですね。先発ってのもあるので結構きてます」


「そうか。ま、打たれたら俺がランナー刺して、アウトとってやるから、安心して打たれろ」


野田先輩がにやっと笑う。


「うっす。あざっす」


冗談交じりのそんな会話で俺の心は少しほぐれた。


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