【完】青春PLAYBALL!!
『河南農林ノックをはじめてください』


顔がこわばる。


オオオオオッ・・・・・・!


紫色をチームカラーにした河南農林高校が、気合いともとれるたくましい声を上げている。


カラカラの天気。


スパイクを動かしたところから、土煙が空に舞いあがる。


ボールがダイヤモンドを一気に駆け回り、ノッカーがノックを始めた。


『ノック時間はただいまより7分間です』


「おっ。きた」


そう言ってベンチから身を乗り出したのは野田先輩だ。


野田先輩が観察していたのは、相手捕手のセカンド送球だった。


低い速球がセカンドへ送られる。

ボールは弧を描くことなく、セカンドのグローブへ吸い込まれるように収まった。


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