【完】青春PLAYBALL!!
黒須先生が立ち上がり、グラウンドへ向け歩んだ。


「さあ、お前達気合い入れていけ!」


黒須先生の低い声がベンチからグラウンドへと流れ込む。



バクッバクッバク




心臓が口から飛び出そうなほど脈打つ。


やばい、緊張しすぎて苦しい。

俺は唇を噛みしめ下を俯いた。


「木波!」



パンッ



俺は柚に背中を叩かれた。

それはいつものような痛みじゃなくて、心地いい痛みだった。


「木波は十分気合い入ってる。これは私の分までお願いね、の意味だよ」


柚は力強い目で俺を見つめ、口角をきゅっとあげた。


「最高の試合にしようね」


「・・・・・・おう!」


『東実高校ノックの準備をして下さい』



オオォーーーーーッ



俺たちの声は空高く響いた。


「さぁ、ガンバッ!!」


柚の応援が俺たちの背中を力強く押した。

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