【完】青春PLAYBALL!!
ノックを終え、ベンチに戻る。


みんな無言。


落ち込んだ静けさではない、いい緊張感が保たれている静けさだ。


ノックはノーミスで終わり、みんな満足したように汗を拭いている。


「お疲れ様。いいノックでした!」


柚が先輩達にスクイズボトルを渡す。


「黒須先生、お疲れ様でした」


「ん・・・ありがとう汐崎」


黒須先生と柚が視線を交わす。


俺は帽子を脱ぎ、蒸れて熱くなった額をタオルでグイっとぬぐった。


「木波。一口でも含んでいったほうがいいよ。今から一番暑くなってくるから」


柚が俺にもスクイズボトルを渡してくれた。



正午。


太陽は真上に高く高く上がり、グラウンドがゆらゆらと揺れていた。

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