【完】青春PLAYBALL!!
一回表は三者三振。


誰も出塁することができなかった。


相手は少ない投球数でアウトを重ね、粘ることも出来なかった。


相手も用心しているようだ。




裏。

いよいよ登板だ。



初回から投げるのは中学校以来だ。


ロージンをユニフォームの下の後ろポケットに入れる。


いよいよだ。


俺はゆっくりと息を吐き、グローブを手にはめる。

そしてマウンドへと駆けた。


「尚哉、大丈夫。俺たちを信用して思いっきり投げろ!」


セカンドにいる修平がグローブをメガホンのように口元へ当て、俺に向かって叫んだ。

俺は答えるように、コクンと頷いた。


『守ります東実高校のピッチャーは木波君。キャッチャー野田君・・・・・・』


アナウンスが流れる。

心臓が高鳴った。

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