【完】青春PLAYBALL!!
その言葉を聞いて、俺は腹の底から怒りが込み上げた。


「何それ?それって俺に対する嫌み?」


「嫌みっていったらそうだよ。愛ある嫌み」


柚はプッと吹き出して笑うとそう答えた。


「何だよ、それ。愛ある嫌みって・・・意味わかんねぇ」


俺は拍子抜けしてしまった。

一瞬で怒りが消火してしまった。


「私が青あざ作ってまで完成したシンカーを、世間様に見せずに終わっちゃったのが悔しくてさ。ちょっと嫌み言っちゃった」


柚が俺の顔を見ながらケラケラと笑って答える。


「木波も。三先くらいの強い心が持てたなら、最高のピッチャーになれると思うんだ。てか、チームメートとしてなってもらわなきゃ困るから」


柚は俺の背中をバンバンと何度も叩いた。


< 186 / 408 >

この作品をシェア

pagetop