【完】青春PLAYBALL!!
辛いはずなのに。

俺だったら絶対くじけそうになる。


そんな辛い場面でも三先のピッチングは変わらなかった。


9回表。

三先は、フォークのタイミングも読まれ・・・気づけば2アウト満塁。

ピンチだった。


相手チームがヒットで出たランナーは1人。

2人のランナーはフォアボールだった。

球数が多いせいか、三先は肩で息をしている。

遠くからでも分かるくらいに大きく・・・・・・。


「三先、踏ん張れ・・・・・・!!」


柚はタオルの裾をぎゅっと握り、祈るような眼差しで三先を見つめていた。


「三先・・・・・・!」


不思議だ。


柚の姿、そして何よりもマウンドでみんなの期待を背に踏ん張る三先を見て、俺は心の中で三先に声援を送っていた。




キーン・・・・・・




「あっ!」


バットの金属音が鳴り響いた。

< 188 / 408 >

この作品をシェア

pagetop