【完】青春PLAYBALL!!
ボールはファウルボールだった。

そのボールは柚に向かって飛んできた。



パシンッ



「おお!ナイスキャッチ!」


「ねーちゃん格好いいな!」


ボールを左手でキャッチした柚を、周りのおじさん達がはやし立てる。


「ハハッ!どうも・・・・・・」


柚は適当に愛想笑いをすると、三先の方を見た。

三先もこちらを見ている。


二人は何かを通い合わすかのようにしばらく見つめ合った。


三先は帽子を脱ぎもう一度被り直すと、フーっと大きく息を吐き、マウンドの土をならした。


三先が振りかぶってボールを投げた。


大きく振り下げられた指先から飛び出したボールはストレート。



・・・・・・いや、違う。



ブウウウン



観客席にまで音が聞こえてきそうなほどだ。

相手バッターの大きく振ったバットが空を切った。



アウトーッ


「すごい・・・・・・!高速フォークだ!三先、すごい!」


柚は立ち上がると三先に拍手を送った。




ワアアアーーーーーッ




球場にいる人たちの歓声が三先を包む。




格好いい。

素直にそう思えた。



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