【完】青春PLAYBALL!!
「どうして?両思いだったってことだろ?」


「うん。そうなんだけど・・・・・・」


柚は空を見上げたままフウっと息を吐き、下を俯いた。


「だってもしそうだとしたら、三先が私と野球しなくなった理由は、私のことを好きだからってことでしょ?じゃあ、何?私が今まで必死で野球して、上を目指そうとしてたのは無意味だったの!?」


柚の口調はだんだん強くなる。

怒りなのか悲しみなのか。

柚の声は少しだけ震えていた。

俺は黙って柚の言葉を受け止めた。


「ずっと、自分の力不足で三先が野球をしてくれないんだと思ってた」


俺は柚の言葉を聞く度頷いた。

柚はそれに安心したかのように、自分の思いをはき出してくれた。


「だけど、それは違ってて・・・私は、三先が好きだから野球がまたしたいって思ってた。だけど三先は好きだから意識して・・・じゃあ、私は三先を好きじゃないってことなの?って。ずっとそんなことばっかり考えてて・・・・・・」


「それで悩んでたんだ」


俺は笑いながら答えた。


「何笑ってるのさ」


柚がムッとしたように俺を睨み付けた。

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