【完】青春PLAYBALL!!
「たまにはさ、自分一人で頑張ってみたら?」


綾が肩に乗せた頭を離し、テーブルに置いてあったコップを片付けながら言った。


「目指す方法が違っただけで、ゴールは同じじゃない。汐崎さんも尚哉も三先君に勝ちたいんでしょ?」


「うん」


「じゃあ、いいじゃない。一人で頑張って辛いときは私もいるし・・・修平だっているんだから。ね?」


綾はしばらく俺を見つめた後、唇に優しくキスをした。


「汐崎さんのことばっかり考えちゃ嫌だからね?」





綾は俺を強く抱きしめた。



そうだ。

俺にはこうして側にいてくれる人がいるんだ。

何も柚だけにこだわらなくたっていいんだ―――――。


俺は自分にそう言い聞かせた。


< 206 / 408 >

この作品をシェア

pagetop