【完】青春PLAYBALL!!
「ありがとう。なんか緊張とけたわ」


柚はジャージのポケットに、おまもりを大事にしまった。


ポンッとポケットを叩くと、柚は俺を見た。


「木波。朝とか昼とか、練習終わった後も。練習付き合ってくれてありがとうね」


「うん、こんだけやったんだし。合格出来るといいな」


俺は無理に笑顔を作った。



・・・・・・本当は合格なんかしてほしくないんだ。



隠して。

必死に隠して・・・・・・。


今日柚はワールドカップのセレクションテストを受ける。

そして明日にもその結果が出る。



俺は気が気じゃなかった。

笑顔の裏で俺の心はギシギシと音を立てていた。



柚は俺に、にこりと笑顔を向けると、みんなにも笑顔を送った。


その笑顔が余計に辛かった。


「じゃあ、行ってきます!」


柚はみんなに手を振りながら新幹線のホームへと続く階段を降りていった。


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