【完】青春PLAYBALL!!
ズッザザーーー


スパイクを土に滑らせる音が聞こえた。


振り向いた時俺が見た光景は、打球に素早く反応し、ボールをグローブに納める柚の姿だった。


柚はそのままスパイクを滑らせた勢いを殺し、上体をグッと後ろに引くと、ノンステップでボールをファーストへと送球した。


三先をアウトにするのを見た柚は、俺を見てニッと笑った。

「大丈夫だよ」ってそう言っているみたいに。


「どうして・・・・・・?」


なんでお前はそんな顔が出来るんだ?



一番悔しいのはお前だろ?




結局試合はそのままの雰囲気で流れ、俺たちは去年と同じく、土根にコールド負けで敗れた。


試合が終わった後、顔を洗いに体育館横にある水道にいくと、柚が力なくしゃがみこんでいるのを見つけた。



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