【完】青春PLAYBALL!!
「武信稲荷神社・・・いかにも強そうな名前だな」


俺は、神社の名前が書いている石柱をマジマジと見つめた。


「へへ。そうでしょ?私もこの名前力強くて好き。境内入ろう?時間ないし」


柚は、俺の手をぐいっと引っ張った。



ふわふわと揺れる柚の髪の毛を見ながら、奥へと進んでいく。

繋がれた手も手伝って、俺は胸が苦しくなった。


気を紛らわしたくて、辺りを見回した。



平日の誰もいない冬の神社は、空気がスンっと澄んでいてた。

鳥居の後ろから照らされる沈みかかった夕日の光は、とても綺麗に見えた。




しばらく進むと大きな木が見えた。


それは、幹が幾重にも別れていて、ずっしりと構えている。



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