【完】青春PLAYBALL!!
「まずはこれ」


柚が掴んでいた俺の手を、木の幹に置いた。

柚は俺の顔を見てはにかむと、自分の手を隣に置いて、木を撫でた。


「こうしてると、木のエネルギーを感じて元気になれるんだって」


目を瞑って真剣に木を撫でている柚を見ていたら、なんだか本当にそうなりそうな気がした。

夕日色に染まる柚の横顔はとっても綺麗で、キラキラ光っているように見えた。


「うっし。尚哉、元気・・・出た?」


「え、あ・・・うん」


柚ばかり見ていた俺は、曖昧な返事を柚に返した。


「よし!じゃあ次はこっち。さっき来る途中にあったから・・・行こう」


柚が軽い足取りでパッと駆け出した。




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