【完】青春PLAYBALL!!
「え?それってどういうこと?」


「私ね・・・三先にフラれちゃったから」


柚が眉を下げて、力なく笑った。


「フラれたって?え?柚が?だってお前らうまくいって・・・・・・」


そこまで言って、俺は口をつぐんだ。


「尚哉知ってたんだね。そう。そうだったんだけど・・・・・・」






キーーー・・・カクン、
・・・・・・プシュー





電車が小さく揺れ止まった。


「ここで降りなきゃ。尚哉、行こう」


柚は駅の外にある駅名を確認すると、俺の手を取り引っ張った。

柚と一緒に電車から降りる。


柚の手は少しだけ冷たくて・・・・・・。

俺はもう一方の手で柚の手を掴んだ。

いきなりつかんだから、柚の体がツンと後ろにつっぱった。

柚はそれに驚いて振り返り、俺の顔を見つめた。


握られた手はしばらくそのままだった。

俺の手の温度と柚の手の温度が混ざり合う。




電車から降りる人の波が途絶える頃、俺は柚に伝えた。




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