【完】青春PLAYBALL!!
「ごめん、木波。ちょっと休憩。走りすぎた」


柚は息を切らしながらベンチに座り込んだ。

俺もその隣に一緒に座った。


「・・・・・・木波、息切れにくくなったね」


柚は必死に息を整えながら、ぐったり垂れ下がった頭をゆっくりあげて、俺の顔をのぞきこんだ。


「まあ、少しずつ体力は戻ってきてるしな」


「そっか」


柚はそのまま背もたれに体を任せ、空を見上げた。

俺も同じように空を見上げた。


五月(ごがつ)晴れが続く空は、青く青く澄んでいた。

柚の呼吸の音だけがあたりに静かに響く。

その音がゆっくり、ゆっくりとなっていく。


柚は呼吸に合わせるように、語り始めた。


< 40 / 408 >

この作品をシェア

pagetop