【完】青春PLAYBALL!!
「木波おはよう」


柚のくったくのない笑顔が妙に落ち着いた。


「おう、おはよう」


俺も柚に笑顔を返した。


「へえ、あの人が木波君の元カノさんなんだ」


修平とまもりは、夢中になって話しをしている。


「ちょっと、お前何話してるんだよ」


俺は修平に詰め寄った。


「いや、だって誰?って聞かれたから、つい」


「え!?そうなの?」


その話を聞いた柚が、興味深そうに笑いながらつっこんでくる。


「ちっちゃくて可愛い子じゃん。まさか木波フラられたな?」


この話題出来るだけ避けたい・・・・・・。


ファン!


その時、俺を助けてくれるようなクラクションが後ろから聞こえた。

黒須先生のワゴン車だ。

運転席の窓が開き、黒須先生がグラウンド方向をゆび指した。


「お前ら、楽しそうに話ししてないで、さっさと練習の準備しろ!もう相手チームは準備してるぞ。そんなところも負けるのか?お前らは」


そうだった。

こんなことしてる場合じゃないんだ。

浮かれている自分に気づく。


俺がそんなこと思っている間に、柚はすでにグラウンドに向かって走っていた。


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