【完】青春PLAYBALL!!
俺が知ってる柚じゃない。


俺は妙に寂しくなった。

いくら仲が良くたって、俺と柚はたった2ヶ月のつきあいしかない。


だけど、あいつは・・・・・・


「じゃ、俺行くわ」


俺は綾に告げると、黒須先生のワゴンへと向かった。


イライラする・・・なんだこれ。


「汐崎、早くしろよ!お前負けるのか!?」


俺の苛立ちは柚に向かった。


最悪だ。


柚は俺の声に気づき、いつもの表情に戻ると、話しをしていた相手に何かを告げてこちらに走ってきた。


「ごめん。昔のチームで一緒だったやつでさ。つい話しこんじゃって・・・・・・」


柚の言動がわずらわしく感じる。

俺はそんな柚を無視するように、黒須先生のワゴンから次々に荷物を降ろした。

柚は俺の様子を感じ取ったのか。

チラチラと俺の顔を確認はしてきたが、それ以上はなにも言わなかった。

< 52 / 408 >

この作品をシェア

pagetop