【完】青春PLAYBALL!!
一方修平とまもりに立て続けに振られ口を尖らせる柚。

目線は左隣にいた俺に向いた。


「分かった・・・付き合う」


なんだかそんな気分になれなかったけど、断ったらすねそうで、付き合うことにした。


「ありがと、木波。やっぱりもつべきものは木波だね」


そういうと柚は、自分の荷物をギューっと自転車のかごに押し込み、自転車を駐輪場から出した。

柚は勢いよく自転車をまたぐと、荷台をとんとんと叩いた。


「さ、木波乗って!ニケツで行くよ」


柚はハンドルをギリっと握り意気揚々としている。


「お前・・・男が後ろに乗ってるとかかっこ悪いだろ。俺が漕ぐよ」


俺は柚の肩をポンポンと叩いた。

力んでた柚の肩がゆるむ。


「初めて木波の男らしさを見た」


柚は俺を見上げながら、運転席を譲り、俺の荷物を変わりに背負った。


「今まで俺は男らしくなかったってことなのかよ」


「ハハハ。そう言われたらそうかもしれないし、逆に言えば私が女扱いされたってことなのかも」


「はい?」


「今まで私を男のように扱ってきたじゃんか」


「まあそうだけど・・・よっ」


俺はペダルを踏んだ。

乗り慣れない自転車ということもあって、グラリと自転車が揺れた。


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