【完】青春PLAYBALL!!
着替えを終えた柚がロッカーの陰から姿を見せる。

柚は、雨がやみ始めた外を窓越しに見つめる。


「なあ、汐崎。聞きたいことあるんだけどいい?」


「ん?何?」


柚は外を眺めながら答えた。


「お前ってさ、どうしてそんなに甲子園で優勝することにこだわってるの?」


「どうしてだろうね?」


柚は俺のパイプ椅子の斜め向かいにあった空のボールケースをひっくり返し、ストンと座った。


「ただ単に、野球が好きだからとかそういう理由じゃないだろ?」


「そうだけど・・・何?木波、気になるの?」


柚にジッと見つめられ俺はとっさに顔をそらした。


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