【完】青春PLAYBALL!!
その日の夜。


雨はまだ止まない。


その雨はまるで俺の心を映し出すかのように強く強く、部屋の窓を叩いた。

何が原因でこんなにも強く心が揺らぐのか。


「三先・・・・・・」


俺はその名前を呟いた。

たった三文字が重くのしかかってくる。


あの時、中学の時。

俺は三先に勝った。

けど、柚がいま追いかけているのは三先の背中。


「俺、どうして途中で諦めちまったんだろう」


もし諦めていなかったら、柚の目指すところに俺の姿はあったのだろうか。


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