【完】青春PLAYBALL!!
PLAY2 *重いスポーツバック*
グラウンドに行くとジャージ姿でグラウンド整備をしている一年生の姿があった。
10人前後だろうか。
柚の姿はまだ見あたらなかった。
修平は俺が固まっている間に、もう着替えを済ませてしまったらしい。
すでにレイキを手にグラウンドを整備していた。
相変わらず元気なやつ……。
遅れをとった俺は、急ぎ足でグラウンド脇にある野球部の部室に向かった。
部室の扉には先輩達が残したであろうメッセージが、たくさん書き込まれていた。
それを見ながらドアノブを回し、扉を開けた。
「っ!!うわっ!ごめん!」
バターーーーーン!!
俺はあわてて扉を閉めた。
勢いよく閉めた扉の音に、グラウンドにいた何人かの目が俺に向いた。
「いんだよ、入っても。あたしそういうの気にしないからさ」
扉の向こうから、柚のあっけらかんとした声が聞こえた。
「んなわけにはいかねえだろ!」
俺の声は動揺のあまり少し裏返っていた。
だって…扉を開けた瞬間、スカートにキャミソール姿の柚がいたんだ。
「そう?中学の時はいつも男子と着替え一緒だったけど?」
素早く着替えて部室から出た柚が、にんまりと俺に微笑みかけた。
「高校生なんだから恥じらえよ」
俺は女子からぬ柚の態度に呆れていた。
柚は俺をしばらく見つめると、何もなかったかのようにグラウンドへ駆け足で向かっていった。