【完】青春PLAYBALL!!
「木波、はっやいね」


「待たせたら悪いじゃん」


「ごめんね」

そう言いながら柚はスポーツバックを無理矢理カゴの中につめる。


「乗る?漕ぐ?」


「・・・・・・漕ぐ」


「やっぱり、当たった」


俺は柚から自転車をバトンタッチしてサドルをまたいだ。


「はぁ・・・何分かかるんだよ」


これからの長い道のりを考えると、俺の口からは自然と弱気がこぼれた。


「今4時40分だから・・・目標6時までにつく!」


「・・・・・・頑張ります」


ペダルを踏み込む。

グラリグラリと揺れながら自転車は徐々にスピードを上げていった。


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