純白の翼
三善は、僕らがぎこちなく会話をしていると現れた。
大量の紙をビニール袋に入れて持ってくると、それを大きな円わ書くように床に広げた。
紙の鎖が円になる。
「簡単な結界だよ。俺らが暴れれば、体育館が崩れてしまうからね。」

崩れる?
崩れるって言った?
「蝋燭は、狐火で代用しますか?」
零が尋ねると、三善が頷く。
五つの狐火が円の周りに散らばる。
ゆらゆらと炎が燃える。
「じゃ、始めるかい。」
「はい。準備万端です。」
「……せいぜい美しく踊ってくれよっ」

だんっ!!

三善は、力強く床を蹴ると、宙に体を浮かせる。
落下までの間に、強烈な蹴りを零の腹部に叩き込む。
「……………っ、ぅぐ……」
零は何とか堪えると、狐火を弾丸のように四方八方から連射した。

ががががががががががぎががががががぎかがががか…………
青と赤の火の粉が散る。
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