純白の翼

横たわる彼女を抱え起こす。
その体は、銀色の液体でべったりと濡れていた。
「………………ぁ…」
手の平に、銀色の血がつく。
「綾野!!よくも、風花をぉ!!」
妖狐の少年は、呆然と立ち尽くしている。
「三善を、早く!!」


「いや、ここに居るけどね~。」
三善は、飄々と物陰から表れた。
「少年達の青春の会話を観察しようと思ったんだけど、どうやら想像以上に面白くなっちゃったみたいだね?」
< 54 / 77 >

この作品をシェア

pagetop