純白の翼
「三善!風花が、このままじゃ…っ」
「全く、僕の生徒には困ったものだ。
喧嘩して、揚げ句の果てには流血沙汰。ま、おかげで僕は貴重な物を採集できるんだけどね~。」
三善は、白い布をポケットから取り出すと、風花の血液を染み込ませた。
「何やってんだよ!!」
「近藤、本当は馬鹿じゃないかい?
言ったはずだよ?
彼女は『死なない身体』。
そろそろ再生が始まるさ。」
風花の傷口を慌てて見ると、流れ出した血液が時を巻き戻すように体内へ銀の粒となって還っていく。
傷口は、端から細胞が再生されていく。
それは、神秘的というよりは、グロテスクな光景だった。