純白の翼
距離、妖、依頼人
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千春は三善の胸倉につかみ掛かった。
「あの子を…っ
……どうして殺したんだ!!」
三善は冷めた目で千春を見下ろす。
彼は、何も言わなかった。
「ティアの気持ちは分かってただろう!!」
「だから?」
千春は動きを止めた。
「あの娘が私へ恋心を抱いていたところで、それがどうした。」
よどみなく言い切った男に、千春は激昂した。
腕を引き、力の限り殴りつける。
「お前に彼女を殺す資格なんかなかった。」
「…………………。」
その時、今まで眠っていた風花が寝返りをうった。
千春は彼女の下へ歩み寄ると、顔にかかった赤毛を丁寧に整え、優しく抱き上げた。
「お前に、風花を決して利用させない。
絶対に……。」
そう言い放つと千春は風花を連れて部屋から立ち去った。