純白の翼
零は、沈黙していた口を開いた。
「先生、あれで良かったのですか。」
「かまわないさ。まだしばらく時間はあるのだから。
君等が監視すれば済む話だ。」
(全く、あそこまで近藤が心を許すとはね。計算外だ。)
男は口端を上げる。
(近藤は、いずれ巻き込むつもりだったが…。色々と予定が早まったな。)
人との出会いや縁は全て意味がある。
これが彼と彼女の運命ならば…
「全く、面白いな。」
自分の言葉に二人が戸惑うのを横目で眺める。
「零、唯。姫君の事を思うなら、くれぐれも変な気を起こさぬよう。」
二人は、静かに顔を歪めた…