王国ファンタジア【雷電の民】



胸元から提げたポプリを取り出す。その香を嗅げばまた気力が湧いてくる。

岩肌を削って造られた細い山道を岩肌に手をつき強風にふらつく体を支えながら進む。今はまだ見えなくてもこの先に希望があると信じて。



と、霧が薄くなった。しばらく進むと霧は完全に晴れ、そしていきなり視界が開けた。

目に飛び込んできた景色に俺は息を呑んだ。


< 10 / 47 >

この作品をシェア

pagetop