王国ファンタジア【雷電の民】
「せや、兄ちゃんもなんか買うてかへん?」
きらり〜んと目が光った気がする。
「いや、俺は…」
「兄ちゃんぐらいハンサムやったらエエ人の一人や二人おるやろ!」
とばしばしと俺の腕を叩くと背中の行李を下ろし、自分もそこに座る。
「いやおれは………(というか二人もいたら困るだろ!!)」
と断る隙もなく、彼女は中からラグを取り出して地面に敷くと、次々に女物の装飾品を並べていく。
「どない?わしのオススメはなあ…」
「すまない。今は時間がないんだ。用が終わればまた拝見する」
無理矢理彼女の話を切ると、彼女は残念そうに眉を下げた。
「そうか…。ほな、<ついておいで>」
一瞬雰囲気ががらりと変わった。